不動産登記簿謄本は法務局またはインターネットで入手することができます。入手の方法とそのコツ、主な注意点をまとめておきます。
登記簿謄本の入手方法
不動産登記簿謄本は法務局で入手できます。最近では、インターネットでも手続きできるようになってきました。多くの情報を得るためにも「謄本(全体)の申請」をお忘れなく。登記簿を取得する際の主な注意点を、一通りまとめておきます。
- 法務局で入手
- 一般を対象に有料で公開されている不動産登記簿は、各都道府県の県庁所在地に設置されている地方法務局と、県内の地方法務局の支局・出張所に備え付けられています。当該不動産の登記簿などの閲覧や謄本・抄本を入手するには、その不動産登記簿を管轄する法務局に行かねばなりません。
- インターネットで入手
- 不動産登記簿は、平成12年10月からインターネットでの公開が始まりました。当初は東京・大阪・名古屋・広島・福岡・仙台・札幌・高松の各法務局管内ごとに3庁(仙台管内は5庁)の合計26庁でしたが、平成15年5月には410庁が利用可能になっております。利用可能な登記所は法務省の「サービスを提供している登記所」画面で確認してください。
入手時のコツ
不動産登記簿の閲覧は1筆ごとの課金になっています。ただし、同一地域にある同一企業の不動産でも、いくつかの町にまたがっている場合があります。ときには100筆以上に分かれていることもありますので、コストと労力を考慮して土地だけの閲覧に留めたり、代表的地番だけを閲覧して、面積は取引先との会話の中で確認したりしてもよいかと思われます。
さらに、閲覧しても内容の記憶や転記は大変な作業になるため、「謄本(全体)の申請」を行うのが無難です。これは「抄本」はあくまでも現時点で生きている権利・義務事項が記載されているのに対して、謄本(全体)はすでに抹消された登記事項も記載されているからです。すでに抹消されている会社の権利・義務の場合、差押え・仮差押え・競売申立・賃借権・その他過去の金融機関からの借入状況などは、与信管理のうえで必要な事項であり、過去からの流れをすべて把握できるという利点もあります。
登記簿謄本申請の注意点
不動産登記簿謄本の申請に関しては、まず、以下のような注意が必要です。
- 住所は基本的に申請者本人の住所を記入する(申請人の勤務地の住所でも可能)
- 氏名は原則として個人名を記入する
- 印鑑は拇印でも受理される
- インターネットを活用する際には、環境設定は当然のことながら、事前登録が必要になる
その他、場合によって次のようなことにも注意するとよいでしょう。
- 住居表示番号から登記地番を調べる
- 調査したい不動産を地番で申請しますが、通常、会社や個人の住所は住居表示番号を使用しているため、当該不動産の登記地番と一致していない場合が多くあります。正確な登記地番は各法務局に備え付けてある住居表示から登記地番を調べる冊子を利用して調べる必要があるでしょう。調べたい会社の不動産については、一度は全筆を取得してみる必要がありますが、二度目は代表的地番1筆だけで判定可能といえます。
- 登記簿謄本と共同担保目録を同時に取得する場合
- 登記簿謄本と共同担保目録を同時に取得する時は、印紙貼り付け欄の欄外に「要共同担保目録」「共同担保目録必要」と記載します。担保設定が多く打たれている場合は、金額の大きい直近の共同担保目録の番号を指定しなければなりません。
- 遠隔地の不動産登記簿を取得する場合
- 遠隔地の不動産登記簿を取得したいときは、印紙貼り付け欄に「(株)○○商事所有物件」と記載しておけば申し込むことができます。その際には返信用封筒を同封すること、印紙を多めに同封すること、謄本取得に1週間以上の日時が必要であることなどに注意することを忘れないようにしましょう。