盗聴とは? その種類と目的

盗聴とは、「盗聴器を仕掛け、音声を電波に乗せて発信し、受信する」行為全体のことです。そして、そのために使われる機器が「盗聴器」です。

盗聴とは

まず、「盗聴」とは文字通り「盗み聞き」のことで「傍受」とは違う事をご理解ください。一般的に盗聴といえば、「何らかの機器を使って、普通では聞くことができない他人の会話などを盗み聞きする」場合を指します。

圧倒的に多いのは、電波を使った盗聴で、電波式盗聴器を部屋や電話機に仕掛け、そこから発せられた電波を離れたところから受信して、部屋や電話の内容を聞くという行為です。ただし受信機を使って単に飛び交っている電波を聞く行為は、盗聴ではなく「傍受」です。

電波を使った盗聴は、だれかが何らかの目的を持って、特定の部屋や電話機に盗聴器を仕掛け、拾い集めた音声などを特定の周波数の電波に乗せて発信し、それを受信する」行為全体のことです。

設置の目的

盗聴器設置の主な目的は、証拠収集と、監視・確認・ストーキングなど。興味本位の設置もよく見られます。盗聴器使用者(購入する人)の半数は興信所や探偵社などで、残りの半数は一般の人々です。その使用目的については、いくつかのパターンに分類することができます。

プロによる調査目的の設置
興信所や探偵などの「プロ」が証拠収集の調査を行うために、調査対象者の家や会社に仕掛けるケースです。本格的な盗聴器が使用され、なおかつ容易には発見できないような場所に取り付けられるなど、設置に関しては完全に安全(発覚しないよう)な状態にする工夫が見られるのが特徴です。
監視や確認の目的での設置
会社の給湯室付近に従業員を監視するため仕掛けたり、子どものいじめを心配した親が子どもの行動を監視するため部屋に取り付けるようなケースや、詐欺などのトラブルに巻き込まれた人が証拠を得る為に用いるといったケースが多く、設置場所は机の下や物かげなど、安易に発見出来る場所が多いのが特徴です。主に市販の電波式盗聴器が使われます。
ストーキング目的の設置
そして最近増加しているのが、ストーキングを目的に盗聴・盗撮機器類が設置されるケースです。主に市販の電波式盗聴器が使われ、受信した会話の内容を用いて、ターゲットに嫌がらせをするための材料として使われるケースが目立ちます。
その他
興味本位での設置例として、ラブホテルに仕掛けられる事もよくあります。

盗聴器の種類

主に電波式と有線式の2タイプ。盗聴器・盗撮器ともに、多用されるのは電波式です。

無線式盗聴器
盗聴器で最も多用されるのが電波を使う無線式の盗聴器です。仕掛けた周辺の音声をマイクで拾い、電波で送信する盗聴器で、設置箇所から離れた場所で、その電波を受信します。形状は、シンプルなボックス型のものから、時計やぬいぐるみ、電卓や万年筆をよそおったもの、二叉・三叉コンセントや電話機のモジュラージャックに擬装したものまで、さまざまな種類が存在します。
有線式盗聴器
電話回線や電灯線に取り付け、有線を通して会話を盗み聞きする盗聴器もあります。無線式と比べ回路が複雑で設置は困難ですが、設置者側にすれば、発見されにくく、第三者に傍受される心配もありません。仕掛けられた側にとっては実にやっかいな存在です。
盗撮器は無線が主流
盗撮器の場合も最も多用されるのは電波式盗撮器です。仕掛けた位置からさまざまな角度で撮影して、撮影した画像を電波で送信するタイプで、設置箇所から離れた場所で受像されます。形状は、偽装タイプがそのほとんどを占め、盗聴の場合と同じように、時計やぬいぐるみをはじめとして、壁の内部や天井のすき間部分、二叉・三叉コンセントの内部や電灯内部のクローランプに偽装したものまで、同じくさまざまな種類が存在しています。