引越業者による、盗聴器や盗撮カメラを探し出すためのサービスをご存じでしょうか。これらは「盗聴器発見サービス」などと称され、最近ではテレビでも紹介されています。引越の際に行われる盗聴器発見サービスの調査時間は、すべてあわせても1時間程度であると聞かれます。また、使用する機材も広域帯受信機と、簡単な電波受信アンテナなどを使用して「安心です」と調査終了。
これでは、プロどころかセミプロ、盗聴盗撮マニアが使用する機材ですら発見できません。たとえば、ご存じの広域帯受信機は、広い周波数範囲を受信することが出来る機器として知られていますが、実際に反応する情報機器は、ほんの一部であるという現実をご存じでしょうか?
- 有線タイプの盗撮カメラ
- 有線タイプの盗聴器マイク
- 録音機
- 携帯電話を使用した盗撮カメラ
- 携帯電話を使用した盗聴器
- ココセコムなどの位置情報サービス端末
- インターネット回線を使用した盗聴器
- インターネット回線を使用した盗撮カメラ
- コンクリートマイク
- ガンマイクや集音マイク類
上記リストは、広域帯受信機で見つけられない情報機器です。これらに関しては、熟練された専門業者でも発見できない場合があるほどです。
小生は、盗聴器や盗撮カメラなどの機器またはその調査に関わって、もう26年目となります。だからこそ判るのですが、実のところ盗聴器や盗撮機、いわゆる隠しカメラの類を発見するのは、とても大変な作業なのです。盗聴器や盗撮カメラ類の調査で、完全に安全と言い切るまでに費やす探索の時間は、およそ3時間から以上。盗聴器発見作業の他に、「調査した場所や方法の説明」や「防犯について」の説明を加えると、さらに長い時間がかかります。
しかし、近年、盗聴発見サービスを行っている引っ越し業者などは、小1時間で調査を終え「安心です」「大丈夫です」と言って帰ってしまう。そして、これは明らかにしても良くなったので記しますが、昨年に一番驚いた案件で、小生が調査に行くと、実際に稼働したままの盗撮用カメラをまず発見、その後、同じ室内に録画状態のタイムラプスビデオを発見、録画内容を確認すると、一昨日に引越業者が盗聴発見作業をしていた案件(現在依頼者による訴訟準備中)があるほど、引越業者にはいい加減な業者も存在します。
これら業者が巻き起こす問題のせいか、これら「引っ越し業者が盗聴発見サービスを行った後の相談」は増える一方なのです。実際に盗聴器や盗撮カメラが設置されているにもかかわらず、それを発見できない業者が、一般的な調査費用を集金する。その割に、何のアフターフォローもしないのだから、依頼主にとっては、転居後の不安がかえって高まってしまいます。
しかし、引越業者に言っても相手にされず、その心労からついに心の傷を深められる。そうした経緯を経て小生が相談をお受けすることも少なくないのですが、しかし、これら業者を取り締まる法律は存在せず、全くの無法状態であるのが現状なのです。
ですから、小生はこう主張したい。「盗聴器や盗撮カメラの発見を行う業種も、探偵業法に定める探偵業に含まれるべきである」
本来、盗聴器や盗撮カメラを発見するための調査は、我々のような探偵業者が依頼者に提供する「探偵調査サービス」でした。盗聴機器や調査機材は日々進歩しており、それらはこの業種に携わっていなければ、目にすることもできないほどだからです。また、依頼者に対する理解や心のケアも必要となり、他業種の方が短時間の講習を受けてどうにかなるものではありません。
探偵業法の、3年後の見直しまでの間に、いったいどれだけの被害者が増えるのか、このブログに記す程度では歯の立たないところですが、何とかならないものかと危惧しています。このように問題だらけの「引越業者による盗聴発見サービス」を適正化すべく悪質な業者については追求してゆこうと考えております。
プロによる盗聴調査 – 盗撮カメラの除去方法や費用についての御案内。
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